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2006.05.13

森下裕美考~大阪ハムレット

森下裕美がとんでもない本を出した。
たまたま、漫画喫茶に入って見かけてしまったのだ。
「大阪ハムレット」(双葉社刊)

森下は、作風が大きく変わった作家の一人だ。
初期作の「荒野のペンギン」や短編集の「23のさかな」などを読んでみると、
人物は8頭身でリアルな作風。テーマも重い恋愛話やシニカルなものが多く、4コマ作品はほとんど描いていない。
なので、はっきりいってマイナー作家であった。

が、ある時期描いた4コマ作品が竹書房の編集者の目に留まり、あれよあれよと、ヒットを飛ばし、
一躍有名漫画家になってしまった。
初期作からは考えれない、「ここだけのふたり」や「少年アシベ」等のキャラクターに見られるような、
可愛らしい2頭身キャラの4コマギャグ作家へと変貌していった。

ところが、「スーパーまるでん」あたりから、また流れが変わり始めた。
等身は低いながら、『可愛らしくない』キャラのみの漫画を描き出したのだ。
それらの作品は、実に読みにくい。読んでいて萌えない。はっきりいって気持ち悪い。
「スーパーまるでん」では、その気分の悪さがギャグとして作用していたが、
今回の「大阪ハムレット」は真っ当なストーリー漫画だ。

しかし、現在の森下裕美の状況は複雑だ。毎日新聞の夕刊には可愛らしい系の「うちの場合は」を連載中だ。
なので、「うちの場合は」や「アシベ」しか知らない人間が、「大阪ハムレット」を読むのは危険だ。
しかし、その危険を犯してまで読んでみることを薦める。初期の頃の森下裕美を思わせるストーリー展開が楽しめる。
絵柄は過激に展開しているが、話作りは昔と変わっていないという稀有な作家になってしまったのだ。

ただ読みで済ますつもりだったが、明日にでも買いに行こう。

ところで、夫である山科けいすけも、最近『可愛らしくない』キャラを多用した作品を造っている。
例えば「お仕事しなさい!!」とかだ。やはり夫婦は似るのか。互いに影響しあっているのか。
不思議なところである。

そうそう、最近の双葉社はすごいね。こうの史代に仕事を与えているだけエライ。
こうの史代についてはまたいつか書こう。

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